「鳴らないね。」

姫榎が口を開いた。

一向にセンサーはならない。

鳴らない方がいいのかもしれないけど

なんか、気持ち悪い。

なんであの日死にたいなんか思ったんだろう。

いつの間にか後悔してる。

‘ピーーー…’

どこかで聞き覚えある音だった。

どこで聞いたんだろう…

思い出した。

テレビで聞いた音だ。

センサーの音は心配停止した時の音。

「誰のセンサーだ!!」

俺のセンサーじゃない。

姫榎でもない。

パッと後ろにいた2人をみた。

鳴ってたセンサーの持ち主は

喜多と夕凪だった。

支配人はこうやって

適当に弱い人間を

何億といる中から抽出して

パーティーに強制参加させて……

支配人は残酷なやつだ。

誰もいない街。

四方八方がら空き状態。

一体どこから誰が

2人を殺しに来る?

センサーの音は消えない。

閑散としてる街に木霊し続ける。

2人の顔は凍りつく。

あんなに冷静だった夕凪は

腹痛を訴えガタガタ怯え震えてる。

自殺した身なのに

なにがそんなに恐い?