「聞こえてるか?」

支配人の声だ。

「いまから指令を出す。」

いままで歩いてた足は止まった。

冷たい風が吹いた。

俺たちのミッション……

俺たちを殺しに来るやつに気づいて

殺される前に殺せ。

「私犯罪者になりたくない…」

姫榎が悲しそうな顔をした。

「最後に、裏切りには気を付けろ。」

そう言ってイヤモニからの声は消えた。

気楽に話してた俺たちは

話せなくなって、足も止まった。

「とりあえず歩こうよ。」

夕凪が冷静を取り戻して言った。

とりあえず大通りに出よう。

四人で歩き出した。

俺はこの街を歩くのは

少し違和感があった。

駅に行くまでの道だから

始発が始まってから

終電に終わりが来るまで

人が耐えることはない。

まして、閑散として

冷たい空気が流れるなんてもっとない。

この街を歩くのは気持ち悪すぎた。

支配人から指令を俺たちに

いい告げてから15分。

ようやく大通りに出た。

15分間何も話さずにただ歩いた。

いつセンサーが鳴り響くかわからなくて

みんなビクビクしてた。

誰も自分が死ぬなんて思いもしなかった。