手繋いで店を後にした。

姫榎は耳をはリンゴみたいに

赤くしながらプリクラを見てた。

すっかりゲームのことなんか

頭の片隅にもなかった。

なんかの悪夢をみてたんだって。

疲れすぎてたんだって。

「姫榎はキス始めて?」

「うん…大野くんが初彼。」

耳を赤くしたまま答える。

ますます姫榎が愛しくなってく。

姫榎のまっしろな肌を俺の腕で包んで

柔らかい唇をもう一度だけ奪いたい。

「姫榎?」

「なにぃ?」

「もっかいキスしよう。」

「うん…」

顔をさらに赤くしながら

OK してくれた。

俺は生きてるのが嫌だった。

政治かも意味不明で

自分の子供を殺すような親がいて

嫌気が差しまくった。

でもいまの俺は

生きてて幸せだって

胸の奥から思える。

姫榎と2人でアイスクリーム食べて

姫榎といろんなこと話して

姫榎の笑顔を見て

久々に幸せが溢れた1日だった。

姫榎を家まで送り届けた

帰りの電車の中。

ふと思い返した。

そう言えば支配人の声

どこかで聞いた覚えがある。

誰の声とは断言できないが

幼い頃どこかで聞いたような…

secondステージが終わって一ヶ月。

しばらくあの死のゲームに

呼ばれることはなかった。