大変だったのはあの後だ


“りょうくん”こと高倉 涼二くんが逃げてからすぐに担当の看護婦さん(優子さん)が走ってきた


「桜ちゃん!?どうしたのこれ!?大丈夫!?怪我とかしてない!?」

「あーあ、えーと…そう!カラス!カラスがね!おもいっきりぶつかってきてねービックリだよねー…怪我とかしてないよ!大丈夫!」


あ…私…相変わらず嘘が下手だな…


「…そう、怪我ないならよかった」


私のへたくそな嘘は優子さんには多分バレバレだと思う
だけど、優子さんは嬉しそうに微笑んでそれ以上は何も聞かなかった

それは多分私が嬉しそうな顔をしていたからだろう