「なあ!桜!野球しよう!」 ある晴れた午後のことだった りょうくんがプラスチックのバットと柔らかそうなボールを持って笑顔で病室に入って来た 「え?なに、いきなり…」 「野球しよーぜっ!」 「私、ルールとか知らな「いいから、いいからっ」 少し大きめの帽子を被らされ、ほぼ無理矢理、病院内にある小さな公園に連れて行かれた そこにはすでに5歳くらいの男の子達が5、6人いて、りょうくんを見つけると嬉しそうに駆け寄ってきた