男の子と一緒に探し始めて、少ししたころ結愛ちゃんが見つかった。


「葵ー、探したんだからね?」


結愛ちゃんもあたしのことを探していたらしい。


「ごめんねー。あのね、結愛ちゃん、」


あたしが、一緒に探してくれた男の子を紹介しようと見たけど、男の子は居なかった。


「どしたの?葵」


不思議に思ったけど、結愛ちゃんには言わないでおいた。


「何でもないよ?さー、教室行こ?」


「うん。そうだね」


結愛ちゃんは絶対納得してくれてない。


そうだ!話題を変えよう!!


「ねぇ、クラスどんな感じだった?」


「そうねぇー、明るいクラスだけど、“いる”ね」


「そっか、やっぱりどこにでも“いる”んだ」


「面倒に巻き込まれないといいんだけどね」


「そうだねー、平穏な日常を送りたいねー」


あたし達はそんなことをしゃべりながら、教室に向かった。