「るいは"恋"したんだね」


奈緒子がつぶやく。


奈緒子は中学時代に付き合っている人が居た。

その人と奈緒子は、受験シーズンに入ると
"自然に"別れた。

奈緒子は恋に関してだけは冷静沈着だった。

私から見ても、その時ばかりは大人の女性に見えた。

その時から、私ね、
少し、うらやましかったんだ。



「うん。」


奈緒子に言われたら、自分でも納得できた。


「白黒はっきりさせなきゃね」

奈緒子はそう言いながら、雑誌を読んでいた。




私は、恋をしました。