もしも君が助けてくれたら

そういえば、昨日思い出したあの小さい時は、お母さんが助けてくれてたっけ。

お母さんは目が見えなかったのに私たちを庇ってくれてたような気がする。

そんな思い出があやふやに浮かんできた。

お父さんはお母さんにも暴力を振っていた気がする。

あの頃はお父さんは最高潮に忙しくて、家に帰ってくることも少なくて、それで・・・。

「でね!って、聞いてるの!?由良~~!」

ハッとして外から目を離すと、奈々ちゃんが頬をぷくぅ、と膨らませて私を睨んでいた。

「あ、ごめん、聞いてなかった」

へへ、と笑って奈々ちゃんに言うと、奈々ちゃんはふぅ、とため息をついた。

「由良はいっつもボケーッとしてるから話聞いてないことぐらいは不思議に思わないけどさ、今日、何か変だよ?」

やっぱり頬のことにも触れられた。

クラスの人たちがそこそこ驚いていて、何があったんだといろいろ聞かれたけど笑って誤魔化した。

まぁ、前からこういうことはよくあったから皆気にしてなかったけど、奈々ちゃんと秀には何があったのか分かっているようだった。

そして、放課後・・・。

「な、な、柊ー!一緒に昼飯食おうや!」

私が一人でお弁当を持って教室から出ようとした時、植野が私の肩をつかんだ。

「へ?」

振り返ると、植野の少し色黒の顔があった。

「やから、一緒に飯食おうやって!」

植野とは一年の時からの仲だけど、気軽に話せて結構好きな性格だ。

「えっと・・・」

私が躊躇してると、植野が私の腕を掴んだ。

「な、飯はな、皆で食った方がえぇんで。そっちのほうが楽しいやろ?」

でも、猫が・・・、と思ったものの、友達関係を崩してしまうのも困るため、小さくうなずいて植野に半分ひきずられるようにして屋上に行った。

屋上に入ると、秀と奈々ちゃんと東と鈴と・・・曉もいた。

「今、いつの間に曉となかよぉなったん?って思ったやろ?俺ら、柊が[話してみれば面白い人だよ]つった時から結構曉と話すようになってな、んで、今では中野も近藤も曉と仲良しこよしっつーわけや」

ふーん・・・。

私が曉をみると、曉も私をみた。

にしても・・・。

「面白いメンツだね」

正直にそう言った。

面白いというか、不思議なメンツだった。

それを聞いた植野がニヒッと笑って私を皆のところまで強引に引っ張った。

「皆で飯食うん久しぶりやな」

「そうだね」

「そうだな」

「そういえば・・・」

「でも違和感ないね」

「いっつも一緒にいるようなもんだからねぇ」

私は肩を竦めて普段通り馬鹿騒ぎをしている輪に混じった。