いきなり、エミが大声で言った。 彼女は堂々と胸を張り、周りを見ながら言いきった。 「あんたらが、どんな目でシホを見ようとどうでもいい。あたしはシホが好きだから一緒にいるの。」 少し、ギャル系のエミ。 マスカラが乗った強い眼力で見据える。 「あたしだけが、シホを信じてればいい。」 嬉しかった。 久しぶりに名前を呼ばれたことも。 決してクロネコという名前が嫌だったわけじゃない。