にこやかにほほ笑む彼女から、嘘は見えない。


何度も裏切られたあたしは、人の顔色を見て嘘を見抜けるようになってしまった。


でも、先輩の嘘には気づきたくなかった。


「クロネコー?」


エミがあたしの机に腰を下ろす。


―――ヒソヒソヒソ


なんだか、周りから向けられる冷たい視線と、聞こえるひそひそ話。


その視線の先にはあたしとエミ。


「くっだらないよね。」


ギョッとした。