彼は、答えずに。 『危ないから、もう帰りな?』 あたしに背を向けるその姿。 せっかく、もしかしたら先輩に近づけるかもしれない。 そう考えたら、止まらなかった。 『もっと、あなたのこと。知りたいです!』 必死だったんだ。 行かせないように。 必死だったんだ。 見てもらえるように。 小さいなりに、頑張ったんだ。