+.*ベッドの上の王子様*.+【完】


「じゃあ、行ってくるね。」


「うん、行ってらっしゃい。」


「・・・・・・あの、行けないんですけど。」


「え?」


気づくとあたしは、レイの着崩したスーツの裾を握っていた。


「あ、やだっ!ゴメン!」


「フフッ、今日は早く帰って来るから。」


チュッとあたしの頬に柔らかい感触を残してドアは閉じて行った。


名残惜しくドアを見つめるけど、もう開くことはない。


さ、気分を入れ替えて家事をしなくちゃっ!