ジューッといい音を立てながら、焼けていく卵。


その匂いに酔いながら、愛しい人の待つ寝室へ足を運ばせる。


朝刊はもうとってある。


コーヒーも淹れ終えた。


彼の寝顔を想像すると、自然と笑みがこぼれる。


ドアを開け、少し薄暗い部屋の中大きなベッドに1人眠る彼の傍に腰掛ける。


茶髪の髪は、サラサラで。


女のあたしが羨ましいと思うほどの、まつ毛の長さ。


ほんと、どうしたらそんなにバサバサ生えるんだろ・・・。


ドキドキと心臓が高鳴る。


一緒に暮らし始めて、そろそろ1か月が経つ。


だけど、あたしはまだ恋をしている。