時は流れ、いよいよ天下統一の夢が目前に迫ったある日。

 もも太郎は完成したばかりの城に家来の一人を呼び付けて言いました。


「見よ、サル、見事な城であろう…」

「は はぁー、見事でございます、おやかた様。

ところでもう名はお決めになられたのですか?」

 名前か……。


「名はアヅチモモヤマ城じゃ」




 しかし、それから数年後。

 不運にも、またしても家来の裏切りにより志し半ばで、もも太郎の夢は幻に消えて逝ったのでした。


 ‐完‐