「では、“かくれんぼ”でもしますか。
 私が鬼になりますんで、見つからず、隠れ続ける事が出来ればウサギさんの勝ちということでどうでしょう?」

「かくれんぼぉ!?

 あくびが出るぜ。上等、悪ぃが容赦はしねーぜ」


 かくして、ウサギVSカメの、互いに命をかけた世紀の一戦が幕を開けた。



「それでは百、数えますから隠れて下さい。
 いーち、にーぃ、さーん…」

 ハハハ、数、数えるのもノロマだぜっ。

「百もいらねぇ~よ。
 ♪ そーれ、カーメさんこーちらっ、手ぇ~のな~るほ~へ ♪」


 絶対の自信を持つウサギはことごとくカメを馬鹿にした。


 カメなどには、なにを持ってしてでも負けるはずはない。

 あんなノロマな生き物にどうして捕まる事などあるものか。身体能力の差は歴然。


 スタートから数分後。すでに数キロ先の荒野でウサギが高笑いしている頃、ようやくカメはウサギの探索を開始した。

「さてと、そろそろ行くとするか‥‥」