それから僕はおばあちゃんに連れられ、ある湖にやって来た。


 ほとりでは沢山の鳥たちが羽根を休ませ、水浴びを楽しんでいる。

 その中には白鳥やツルやコウノトリたちの姿もあった。


「いいかい坊や、よう~く覗いて見てごらん」

 そう言っておばあちゃんの指さすその先には、見慣れない鳥が。

「お、おばあちゃん…こっちの鳥はおばあちゃんソックリだけど、隣にいるのはなんて言う鳥なの?」

「こっちはね、湖に映った坊やの顔よ。

 坊やみたいな仔の事をね、鳥って言わないの‥‥。

  ..
 ネコっていうの」

「ネコ…?」


 生まれて初めて見る自分の姿に少し絶望した。


「そう、だから坊やは醜いアヒルの仔なんかじゃないの。

 そもそもアヒルの仔じゃないから。

 ただねぇ…ただ少し、お母さんがアバズレだっただけなの‥‥」

「えっ、あぁ…アバズレだったんだ…。
 そ、そうだったの……」