その日から度々訪れては、全く家事をしない妻に代わり、掃除、洗濯、料理、時には一日中話し相手となって楽しませてくれた。

 家庭が上手くいっていないせいか、最近はやたら無気力で仕事にも身が入らない僕を癒してくれた。


 でも何故だろう…。

 時折見せる、彼女の悲しそうな顔が気になっていた。


 僕はいつの間にか、相手がツルだということなどすっかり忘れていた。


「どうしたんだい、何か悩み事があるなら言ってごらん」

 彼女は少しムッとした様子で答えた。


「…じゃあ言わせて頂きますが、若い娘と毎日のように一つの部屋にいて、どうして何もしてくれないのですか!?
 私はそれ程魅力がありませんか!?」

「え"っ!?」


 突然の告白に焦った僕は、冷静に状況を確認してみた。


『い、いくら何でもダメだろう…相手はツルだ。
 ツルとそんな事…鳥姦じゃないか!?
 男…いや、ヒトとして、人間失格もいいとこだ!!
 そうさ、どう考えたってダメに決まって……………る‥‥かな?』


 僕は目の前の相手の身体を下から上へともう一度よ~っく、見返してみた…。

 着物の裾からはだけた美脚。細く締まったくびれ。豊満な胸。端整な顔立ち。

 『ゴクリっ‥‥』


 思わず生つばを呑み込んだ。


 やはりダメだ………。
 だ、ダメだ、もう我慢できない。

「つ、ツル子――――っ」


 それからというもの、僕らは妻の目を盗んでは情事を重ねていった…。