私は人の彼氏を横取りするほど


意地は悪くないし、


ましてや、2年も付き合っている彼女がいるのに


その子に勝てるとは思えなかった。


だから零汰に確かめるために電話した。


『はい。』


あんなことを聞いても


私はまだ零汰が好きらしい。


このそっけない声を聞くだけで


胸がドキドキするんだから。


「もしもし…零汰?」


『ん…なに?』


どうやら寝起きらしく


機嫌が悪い。


「あのね、零汰って他に彼女いるの?」


決心を固めて零汰に問う。


『…』


零汰はなにも言わない。


沈黙続けている。


「○○ちゃんって零汰の彼女だよね?」


私はよく非通知でかけてくる女の名前を言った。


『…おぅ』


彼氏はため息まじりで答えた。


…そうだよね


やっぱりね…


どこかで違うって言ってくれることを


期待してたのかもしれない。