雲が流れ、空には憎たらしい程の青空が広がり、 それを背景に黒い羽根が漂っている。 その羽根がクロワの涙に見えたのは、 私の気のせい……よね……… 私は暫く、その羽根に見入っていた。 ――――ブワッ 一陣の風が過り、羽根が天高く昇っていく。 それはまさしく、天へと昇る為の道標のようだった。