音楽室を飛び出した俺は、そのまま教室に帰る気にならなくて、 その足で向かった先は……… 特別棟の離れに設置してある温室だった。 なんで、極普通の高校に温室なるものがあるのかというと、 学校側の生徒たちを自然に触れさせるという考えからだった。 まあ、実際は理事長の趣味だろうが…… それに、こんな校舎から離れている温室なんかに好んで来るような物好きはいない。 ので、昼休みと言えど誰もいない。