――――――……… 何もかもを黒く、暗く染める夜の闇を満月が照らす中。 俺は家へと続く道、住宅街を歩いていた。 部活が終わり、疲れた足を動かして。 これほどまでに、家が遠いと感じたことはなかった。 薄暗い道を照らす明かりは、点々とそびえ立つ街灯と月明かりのみで。 しかもその街灯は今にもこと切れそう。 何度も、明滅を繰り返している。