『聞かなかったの?』

今日子先輩は都ちゃんに詰め寄った。


『聞くの忘れてました…』

『誰なんだろう…』


三人は首を傾げながら考え込んだ…。






そんな三人に気付かず、私とコウさんは部屋を出た。







みんなが私達に注目する…


コウさんは所謂イケメンだ…。

きっと私…睨まれてるかも…。


そう思って、俯いた…。


俯いて歩いていることと、履きなれないヒールのせいで、転びそうになる…


咄嗟に受け止めてくれるコウさん…。


『あっ…ごめんなさい。履きなれてなくて…』


『大丈夫?手…繋ごっか?』

コウさんは照れながら手を差し出してくれた。


『大丈夫ですよ!だって…』

『ん?』

『コウさんのファンに刺されちゃいます…』


私はそっと耳打ちした。


『はぁ?俺の方が刺されちゃうかも…ハルちゃんファンに…』

あからさまに赤くなるコウさん…。


つられて私まで赤くなる…