3分くらい沈黙があっただろうか、 「じゃ、かえりまー」 と彼女が言った。 俺はとっさに、彼女の華奢な腕を掴み 「たったそんだけの為に来たの。」 と言ってしまった。 体は正直だ。 目の前が霞んで彼女の表情がはっきり認識できなかった。 彼女は怒っていただろうか、それとも哀れんだ目で俺を見ただろうかー 一瞬、俺はやってしまったと思った。