相手にされない王子様







「……全然女子通らないんだけど?」




女子更衣室の前で有川の姿を確認するために待機していただなんてただの変質者だ。だから偶然を装わなければならないため、更衣室近くを離れて女子を呼ぶことは出来ない。
そのために、この辺りを女子が通りかけてくれるのを待つしかないのだが…




「もうすぐで昼休み、終わるぞ」




仕方ねー




「ここに居たら出て来ると思うか?」




「確証はねーからな。待つだけ無駄じゃね?」




やっぱりそうだよな…


諦めて教室戻るか…それに明太子が危険な目に遭っているという確証もねーんだし。

これもただの胸騒ぎなだけかもしれねーし。