相手にされない王子様



「じゃあ俺、もう何も言うことねーじゃん」




俺の努力は水の泡になってるし。




「何て私に言うつもりだったんですか?」




は?
今さらだろ。




「彼氏持ちの奴口説く趣味はねーよ」




「彼氏持ちじゃなかったら良かったんですか?」




「そうだな。
今なら我慢せず言えば良かったかもなと思ってるよ」




どうせハジメを選ぶんだったら、クラスの奴らにバレてるんだったら、慣れない気なんか遣わないで言っときゃ良かった。


本当に今となっては何もかもが遅いけどな。