相手にされない王子様



「まぁ、嬉しいですわ。
では、宜しくお願いします」




ノリノリじゃねーか。


何でコイツはこんなに余裕なんだよ。


つくづく俺は眼中に無いのな。…なんか悔しい。


普通手を繋ぐって言ったら照れるもんじゃねーのか?




「ではお姫様。行きましょうか」




俺は動揺されないのも悔しいので、有川の手を持ち上げてそっとキスをしてやった。




「!」




…あ、やっと驚いてくれた。


つか、俺、それどころじゃねー…


何回もしたことあるはずなのに心臓がマジうるさい。


黙れっての!
男のくせにカッコ悪ィだろ!


どんだけ好きなんだよ…俺。