それでも僕は「なんで僕にはお母さんがいないの?」とは聞かなかった。 子供ながらになんとなくいないということは察していたし、この家も父もあまり好きではなかったので必要最低限の会話以外はしたことがなかった。 僕がいつも一人でいたことを気にしてか、父は僕に猫を買ってきた。 それがシャルだった。