13日の恋





「シャルちゃん?大丈夫?」



武久はシャルに向かってそう言った。






シャルは戸惑ったように「うん」と答えた。





武久がなぜシャルの名前を知っているのか、と最初は疑問を持ったが、答えはすぐに出てきた。





僕がシャルを見つけたとき、思わず口に出してしまったのだ。







…ちゃんと聞こえてたんじゃん。







「シャル、帰るよ」




そう言いながらシャルの腕を取った。





しかし、前には進まなかった。





怪訝に思い、後ろを振り向くと、シャルの反対の手に武久の手が絡まっていた。