「よく見えたね。あんなに離れてるのに」 言葉につまった。 「悠斗の彼女?」 「んなわけないじゃん」 静かに否定すると、武久は「ふーん」と言ったきり、黙って走り続けた。 先にシャルを引っ張ったのは、武久だった。 そして、その後僕がシャルをかばうように前に立ちふさがった。 「この子に触らないで欲しいんだけど」