なんでだろう。 シャルのことになると、いつもの冷静沈着な僕でいられなくなる。 そうだ。 なんで僕は今走ってる? そう思っても、足は止まらなかった。 「あの子知り合い?」 武久は僕の後を走りながらそう尋ねた。 「だったら何っ!」 呼吸が乱れて声が荒がる。