「ねぇ悠斗…。私、シャルの話を聞きたい」


「え…?」


彼女の口から「シャル」というものが出てくるとは思ってもいなかったので驚いた。


「悠斗にとって、シャルってどんな猫だったの?」


言葉に詰まった。


こんな話、誰にも話したことなんてなかった。


シャルのことだけに限らず、僕は自分のことを人に話したことはない。


だから、話すことに抵抗を感じた。