芭琉和は何も悪いことをしていないのだが、砂月の言い分も正しいものだった。 言い返せなくなり、手を放すしかなかったのだ。 砂月はそのまま近くにあった階段をものすごいスピードで走って逃げ出した。 芭琉和が言い返せないのをいいことに、ずいぶんとひどいことを言ったのは自覚していた。 だが、もう一度言ったことは覆すことが出来ず、自分が一番悪いともわかっているのに謝れず、自分を正当化させているのもわかっていたのにこんなことになってしまった。