「はーるーなっ」 いきなりそんな声と共に現れたのは奏多だった。 まったく、本当にタイミングの悪い奴だ。 芭琉和はひそかにそう思い、とっさに笑顔をつくった。 「おはよー!奏多早いね。いつもこんな時間に登校してるの?」 出来るだけ明るい声を出した。 歩調を少し早くして、なんとか昇降口までたどり着いた。