「もう、いいよ。何も答えなくていい」 砂月は芭琉和に捕まれていた手を簡単に振り払った。 今まで黙って捕まれていたのは、芭琉和に期待していたからであろう。 自分にほしい言葉を芭琉和がくれると願っていた。 実際何年も付き合っているのだから、そんな甘いこと芭琉和がしてくれるわけがないのだが、やはり願ってしまうのが人間と言うものだ。