智の言ってる事


全然分かんない







「ぃ、まさらッ…やめて」



「今更、ゆーてもね(笑)」



「なんで…、智のッ、ばか」



「ありゃりゃ、…泣くなよおい(笑)」












1年前



アタシと智は付き合ってて




アタシは智が大好きだった









だから


突然の『別れよう』に


うまく頭が追いつかなくて





きちんと話したかったのに


それだけ言って




智は消えた











毎日のようにサボってばっかで




夏休みに補習して


留年を免れた彼は






今年も


何故か同じクラスで












顔を見てなくたって



ほんとはずっと…






覚えてた














窓際の後ろのアタシの席から



1番前の廊下側の智の席は




宿主がいないからか


いつも寂しそうに見えて












気付けばずっと…、


見つめてて














終わりが見えないこの恋と



整理がつかないキモチとで







ぐしゃぐしゃに混ざりあう心臓が



いつになっても治まんない













そんな2年の始めに


隣の席になったのが



五十嵐悠くんだった










智が見え隠れするアタシの瞳に





『大丈夫だよ』って




絆創膏を貼るみたいに








優しく笑った悠は












きっとアタシなんかよりずっと大人で













甘えてしまったのは


悠が優しすぎるせい…









傷口をキレイにキレイに消毒して


瘡蓋が剥がれそうになったのに…










治りかけた傷口に


また





ばい菌が入り込む…










智はばい菌



とゆうか、病原菌…?







だって


一緒にいると




体中の血が騒ぎだして


熱が出るみたいに



一気に全部が熱くなる








・・・…立ってるのがやっとなくらい




目眩がするもん