「あのねェ、あんたは、頭で考えすぎなの!他の事なら、頭で色々考えて行動するのって大事な事だと思うよ?でもね、恋愛に関しては間違い。恋愛で悩んだ時はね、頭じゃなくて、心で感じた事が正解なんだよ。」
のりはそう言うと、アイスコーヒーの残りを“ズズッ”と飲んだ。
・・・と同時に、私の部屋のイヤホンが鳴った。
誰?と思ってドアを開けた先に居たのは・・・一樹?
「何だよ、急に呼び出して・・・て、えっ?七瀬?何?何で泣いてんの?」
焦った顔して、私の顔を覗き込む一樹が、堪らなく愛しくて・・・。
思わず“ギュー”って抱きついちゃった。
のりの言う通り、心で感じたままに・・・。
「さて、ジャマ者は帰るわ。じゃね。お幸せに。」
そう言って、私達の横をすり抜け、さっさと帰るのり。
一樹は、ちょっとビックリしていたけど、私の事を“ギュっ”て抱きしめ返してくれた。
それだけで何だか・・・満たされた気がする。
どうして、今まで悩んでいたんだろう。
こんなに大切で・・・大好きなのに・・・。

