ステージに出ると、大音量の音楽が聴こえた。



たくさんの歓声と、たくさんの人達。



他のモデル達には敵わないだろうけど・・・



あたしはあたしなりに、精一杯頑張ってみせる。







深呼吸をした。



まっすぐな、一本の線を思い浮かべる。



笑顔を作って、一本の線の上を歩んだ。



左右の人々に、笑顔を振りまく。



最後にポーズを決めると、振り向いてもと来た道を引き返した。













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「・・・疲れた・・・」



あんなに多くの人々があたしだけに注目してるって思ったら・・・



さすがに緊張した。



笑顔が強ばってないといいんだけど・・・・・・






――コンコン



ドアがノックされる音が聞こえる。