ステージ裏で、あたしの出番を待つ。



あたし・・・服装はちゃんと大丈夫かしら?



しっかりチェックして、よし・・・と気合を入れた。



幼い頃から肝が座ってることで近所でも有名だったあたし。



お化け屋敷に行っても、心霊特集のTVを見ても・・・



全く怖くなんかなかった。



大勢の人に見られるのなんて、もう慣れてる。



学校でも電車に乗るときでも、いつも知らない人の視線を感じるから。







・・・・・・だから、大丈夫。



緊張なんて全くない。



あたしは、ただ・・・



桂木さんに教えてもらったことを、正しくやればいいだけ。









「―――次は、ティーンに人気No.1の――・・・



『AriceDole』!!!」



司会者の声に、お客さんたちが大歓声を上げる。