亜耶がよく、漫画や携帯小説を読みながら『キュンキュンする~!』ってはしゃいでる意味が。今日、やっと分かった。




「じゃあね、美緒」




車から降りて、玄関先の段差を一段、のぼる。




「おやすみなさい・・・っ」




ちょっぴり微笑みながら遠慮がちに手を振ると、間宮さんは運転席で嬉しそうに顔を綻ばせた。




・・・あたしは頑固だから。




そんなにすぐには、素直になんかなれないけど。




でも。少しずつなら、ちょっとずつなら、頑張れる気がするの。




間宮さんの温もりを知ってしまったあたしは、




もう―――・・・囚われてしまったから。




甘い甘い、恋の罠に・・・引っかかってしまったの。











今日・・・初めて知ってしまったの。




あたしは間宮さんのことが好きなんだ、ってこと。




瞳が合っただけでドキドキして、あの声を聞くだけで心臓が疼く―――・・・