「バレエかあ・・・すごいね~・・・

それにしても、美緒ちゃんってほんと綺麗だよね!

あーあ、海斗さえいなければ俺絶対美緒ちゃん狙ったのにな~」




名前で呼び合うくらいほんとに親しいのね、間宮さんと桂木さんって。




・・・桂木さんの話は、軽くスルーしておく。




「ん、よし。レッスンは今日でおしまい。

忘れないように家でも練習しといてね」




「・・・はい」




今日で終わり、か。




そういえば、本番っていつか聞いてなかったような気がする。




「本番っていつなんですか?」




「あっごめん、言うの忘れてた。

今週の土曜日だよ。当日の朝、海斗が迎えに行くって言ってた。

あいつ、美緒ちゃんの家知ってんの?」




「いえ、知らないと思います」




「そっかー、じゃあ今日は家まで送ってもらいなよ!

今から海斗に電話するからさ」




そう言うとすぐに、間宮さんに電話をかけはじめる桂木さん。




「あーもしもし、海斗?俺俺。

・・・は?オレオレ詐欺じゃねーよ!

分かってるくせにふざけんな!

・・・え?美緒ちゃんなら、まだ一緒にいるけど。

あーうん。オッケーオッケー、

それは俺が片付けとくから、美緒ちゃん送ってやって!

へいへーい。わかったー」ブチッ




・・・・・・



っていうか・・・社長なのに敬語使わなくていいの?




「今、海斗くるから。じゃあ、俺は行くねー!バイバイ~」




「あ、ありがとうございましたっ」




ぺこりと頭を下げると、桂木さんは笑顔で手を振りながら部屋を出て行った。