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――パン、パン、パン



桂木さんの手拍子に合わせて、まっすぐにモデルルームを歩く。




「そうそう、その調子!」




この部屋は、この社内にある広い部屋。




壁の一面側には大きな鏡がかかっている。




・・・そう。あたしは、例のファッションショーのレッスンをしているのだ。




最初は間宮さんが教えてくれるはずだったんだけど、最近は仕事が立て込んでいてそんな暇はないみたい。




社長だもの、当たり前よね。




代わりに、社長秘書の桂木さんが教えてくれることになった。




秘書なのに忙しくないのか心配なんだけど・・・「全然大丈夫☆」と☆マークつきのスペシャルスマイルで軽く笑ってくれたので、お言葉に甘えてお願いすることにした。




練習は、今日の火曜日で3日目。学校が終わったらそのまま寄って、レッスンを受けている。




「うん、完璧。

そこらへんのモデルよりかは絶対うまくなってるよ~、さすがだねえ!

何かやってんの?ダンスとか、日本舞踊とか」




「バレエなら・・・」




中3の秋までだけど。確か、高校受験に集中するために辞めちゃったのよね。