「・・・・・・ない」





どこへ行ったのかしら。




カバンをひっくり返してみても、制服のポケットにも、ケータイが入っていなかった。




最後、ケータイを使ったのはいつだったっけ・・・。




学校?ううん、違うわ。




あ・・・・・・思い出した!




駅のホームだった・・・




さっき真琴を待っているあいだに、ベンチに座ってケータイをいじってたことを思い出した。




友達や家族のアドレスが入っているから、盗まれたら大事になる。




急いで部屋着から私服に着替えて、家を出た。









「っあった!」





さっき座っていたベンチに近寄ると、あたしの白いケータイが。











――――なぜか、男の人の手に握られていた・・・