ニッコリと微笑む美緒をまじまじと見つめていると、“どうしたの?”という目をされて。



「いや、今日も美人だなぁって思って!」



と頭を掻きながら笑うと、美緒は「はあ・・・」とため息を漏らした。



「あんた・・・毎日毎日そんなことばっかり言って、よく飽きないわよね・・・?」



「?なんで?

美緒は誰が見ても振り返る美少女だよ?」



「・・・・・・もういいわよ」



顔をそらしてそう言うと、美緒はさっさと自分の席に着いて本を読み出してしまった。



どんな仕草も様になっているっていうか・・・



何をしてても見惚れちゃうくらい、美緒は本当に美人だ。





それにしても・・・・・・



前に、美緒がファッションショーに出ているところをTVで見たときは、多分人生で一番ビックリしたなぁ~・・・



しかも、超有名なファッションデザイナー会社のイケメン若社長さんが恋人だっていうし。



毎日、朝は学校に送ってもらってるし・・・ラブラブなんだよね・・・とにかく。



時々美緒の鎖骨にキスマークが付いてるのをみて赤面しちゃうあたしだけど。



あたしだって・・・美緒みたいなときめく恋をするんだもんっ!!







そう。



あたしが昨日の夜、頑張ってクッキーを作ってきたわけは・・・



―――矢神くんに渡すため。