「その・・・なんていうか。美奈ちゃんは、私の意思で助けたし、怪我を負うことは覚悟してたので。というか、美奈ちゃんが助かってよかったです」
「でも・・・」
「―もし、車に轢かれたのが私じゃなくて美奈ちゃんだったら・・・美奈ちゃんは確実に死んでいました」
「―・・・!!」
「だから、私、怪我はしたけど轢かれても生きてるし、美奈ちゃんも生きてるから・・・これが一番、いい結果だったと思いますよ」
私が微笑むと、山口さんも安心したように笑ってくれた。
「・・・叶美さん・・・本当に、いい人ですね。貴方にはいつか、絶対絶対恩返しします。ありがとうございました」
山口さんが深々と頭を下げると、綺麗な大きな瞳から、涙がぽろりと落ちた。
「おねーちゃん。ありがとう、美奈をたすけてくれて」
美奈ちゃんはにこっと笑った。
お母さんに似て綺麗だなぁ~・・・
「それでは、失礼します。手術後で疲れているところだったのに、突然訪問してすみませんでした」
「大丈夫ですよっ!気にしないでください」
私が慌てて言うと、美奈ちゃんがぎゅっと私の手をにぎった。
「ばいばい、おねーちゃん!早くよくなってね」
「うん、ありがとう。頑張るね♪ばいばい、美奈ちゃん!」
山口さんと美奈ちゃんは手をつないで、ICUから出て行った。
なんだか、心がほっこりしたなぁ・・・
美奈ちゃんが助かって本当によかった。
怪我をしたのが私で、本当によかった。
山口さんと美奈ちゃんの笑顔を見ていると、心からそう思った。
