凛くんと話してから4日が経つ。


「うっ・・・げぇ・・・はぁ、はぁ、」


抗がん剤による副作用が激しい。


吐き気、頭痛、目眩、高熱に襲われる。


今日もバケツとにらめっこ。


屋上に彼が居るのは窓から見えている。


行ってもう一度話してみたい。



でも、こんな状態では到底無理だ。



・・・母さんもこんなに辛かったのかな?



あの頃は無理に笑ってた。


幼い私には理解できなかった。


今なら痛いほど分かるな・・・。


そのうち、髪の毛も抜け落ちる。


そんな姿で、凛くんには会えないなぁ・・・。


少し落ち着いて窓の外を眺める。


今日も晴れ晴れしている。


「暖かいな・・・。」


ふと、屋上に視線を向けると凛くんと目があった。


笑顔で手を振ってくれる。


私も答えるように手を振った。


すると、凛くんは屋上からいなくなった。


少し残念に思ってる気持ちを隠すように布団に潜り込んだ。


ーーーコンコンコン


扉をノックする音が耳に尽く。


「はい?」