「201号室。ここが凛子ちゃんの部屋ね。」
優しそうな看護師さんに案内されて私が入院すると思われる部屋に入る。
「・・・有難うございます。」
少し頭を下げてお礼を言う。
個室を用意してもらった。
・・・形だけの家族ってやつに。
「片付けをしてくださいね。」
「・・・はい。」
看護師さんの出ていった部屋で片付けを始める。
少ない服をタンスに詰め、隣の棚の上に母さんの写真を立てる。
その隣に来るまえに買ってきた母さんの好きだった睡蓮の花を立てた。
「これでずっと・・・一緒だね。」
写真の中で儚げに笑う母さんを見て私も自然と笑顔になった。