『恋人代行 』  ① 媚薬の口づけ



『潤くんが終わるまで待ってます。終わったら正門前に来て下さい』



送り主は“葵さん”

………何かあったのか?



今日は特別な用は無く、身支度をして正門へと向かった。


いつでも寝泊まり出来るように着替えもあるし、

病院内のシャワーも使える。

別に不便は無いが、やっぱり自宅が1番。


大学病院は救急外来もある為、

24時間いつでも救急患者の搬送がある。


まぁ、疾うにあの音も慣れたが…。



正門へと行くと彼女が門に凭れて立っていた。



「お待たせ。どうした?急に…」


彼女に話し掛けると…


「もう終わったんですよね?」


と、彼女は俺の顔を覗き込んだ。


「あぁ」


俺は何が何だか分からず答えると…


「じゃあ、行きましょう!?」


と言うなり、俺の手を掴んで歩き出した。

それも結構なスピードで。