「別に寝るって変な意味じゃなくて、同じ部屋に寝るって事」
「あっ……うん…」
そりゃあそうだよね。
別に変な意味じゃなくても……。
「とりあえず、彼の家だし、彼の部屋なんでしょ?」
「ん」
「じゃあ、気を遣うのは彼じゃなくて葵だよね?」
「……うん」
「んじゃあ、彼を迎えに行かないと」
「え?」
「じゃなかったら、彼…帰り辛いと思うよ?」
「………そうだよね」
二葉の言う通りだ。
多分、一昨日だってリビングのソファに寝たと思うし。
こんなのは絶対イケナイよ!!
私は授業後、メールを送信して…
医大の正門前で待つ事にした。
1時間ほど待っていると、潤くんが現れた。
「お待たせ。どうした?急に…」
「もう終わったんですよね?」
私は『終ったら正門前に来て下さい』とメールした。
だって、じゃないと何だかいい訳をしてかわされそうだし。
「あぁ」
潤くんは困惑の表情だけど、
今はそんなこと、気にしている余裕はない。



