俺は言葉が出て来ない。

彼女に視線を向けると顔面蒼白。



「大丈夫?」

「………」

「葵さん?」

「………」



―――――ダメだ。

完全に意識が飛んでる。



「葵!!」



俺は少し強めに身体を揺すって…



「えっ!?」

「大丈夫か?」



彼女の顔を覗き込むと…



「どどどどどどどっ……」

「落ち着けって!!」

「どっ……どうしよう!?」



そりゃあ、パニクるよな?

俺だって相当ビビってんだから。

けど、姉貴の暴走は今、始まったワケじゃねぇ。

何たって、俺が医師免許取得したら、

真っ先に診察するのは姉貴だって。

既に予約済みなんだからな!!



「とりあえず……」

「とりあえず?」



………何て言う?

彼女を納得させる言葉は…無いか?