『恋人代行 』  ① 媚薬の口づけ



毎度毎度、意味不明な事を連発する姉貴。

漫画家って皆こうか?

妄想を通り越して、頭の中ヤバいんじゃねぇか?

俺が医師免許取ったら、最初の患者は姉貴確定だろ。



「ご飯出来てる。山さん(アシスタントの山木さん)がすき焼き作ってくれた」

「おっ、ラッキー!!」



両親が海外生活で姉貴が保護者のワケだが…。

保護者とは金銭面だけであって、身の回りの世話は一切しない。

女であっても家事を一切しない姉。

で、アシスタントの女性スタッフが家事全般をしてくれる。

まぁ、それなりに給料を支給してんだろうけど。


で、我が家に出勤するスタッフが2人追加か。

………ん?

さっき、“暮らす”って言わなかったか?



「なぁ。さっき、美女2人が暮らすって言ったか?」

「そうよ。ラランララララ~♪」



姉貴はスキップしながらリビングへ。

……いい歳して。

そんなに嬉しがるって、一体どんな女だ?


リビングのソファにカバンを置いて、



「何て人?名前は?」

「ウフフッ……ヒ・ミ・ツ☆」



オェッ……食欲無くなるだろうが。